【作ってみようと考えたきっかけ】
自転車は誰でも利用できる手軽な乗り物。でも、いざ事故が起これば、大きな怪我につながることも多い。特に、夜間や雨天時は自動車が自転車に気づかず、「ハッ」とすることも少なくない。日照時間が短くなるこれからの季節は、特に注意が必要だ。
最近、明るく点灯したり、点滅するライトをつけている自転車も多く見かける。しかし、反射器材(リフレクター)だけが装備されている自転車の後ろ姿は、車からの発見が遅れ、追突事故につながる危険性が高まる。
そこで、自転車の後部に電光掲示板に文字を表示させ、夜間の追突事故を減らせないか?と考え、プログラムを作成しました。
(注)自転車は「尾灯(リアライト)もしくは反射器材(リフレクター)をつけていないと道路交通法違反」です。電光掲示板で点滅させる場合にも、反射機材は必ずつけてください。お住まいの都道府県によって、規則や施行細則が違いますので、念のためご確認ください。
【アプリの特徴】
- 8×8のドットマトリックスLEDに流れる文字を表示
- 電光掲示板は安くて簡単にプログラミングができるArduinoを採用
- Arduinoはモバイルバッテリーなど、持ち運び可能な電源で動くことも特徴
- アプリ自体は数十行程度のコンパクトなプログラムで記述
- PCとArduinoを設計図(https://github.com/QuantsResearch-Inc/zsjk/tree/master/arduino_led)に従い接続したのちに、ライブラリをインストール。サンプルプログラムを動かせば、8×8ドットマトリックスLEDに文字が流れる。
- プログラムでは、流れる文字と2つの点滅する文字を、繰り返し表示
- 文字はアルファベットと数字のみのシンプルに(日本語は表示不可)
- サンプルプログラムを改造すれば、別の文字に変更することや、流れる速度や点滅する速度を変更することができる。
【アプリはこちらからダウンロード可能です】
https://github.com/QuantsResearch-Inc/zsjk/tree/master/arduino_led
参考文献
- ちゃりぽ,自転車のリスクについて,https://charipo.info/accident/
- ITARDA,走行中自転車への追突事故,https://www.itarda.or.jp/contents/450/info88.pdf
- 山之上卓, et al. Twitterと連携した着る電光掲示板. 研究報告インターネットと運用技術 (IOT), 2015, 2015.11: 1-7.
靱勝彦(うつぼ かつひこ)
クォンツ・リサーチ株式会社 フェロー 2001年からクォンツ・リサーチ株式会社で、金融工学×プログラミングを軸としたサービス開発に従事。日本技術士会修習技術者支援委員会の委員や、慶應技術士会で子供向け理科教室の指導員を務めるなど、ITを軸とした技術の普及に尽力。最近では社会人大学院にて修士(知識科学)を取得し、自然言語処理を用いた「知識」を研究。技術士(情報工学部門・経営工学部門)。